文茶助‘26.5月号

【交通誘導員】

 雪が降る季節が終わると(3~4月頃)、除雪の一環で排雪の仕事となります。道路から畑や田んぼへ飛ばしたり押し込まれた雪を重機で取り除きます。たまにダンプにも乗りますが、ほぼ交通誘導員をしています。実は楽でないこの仕事。写真は晴れていますが、ここらの3月4月は雪が降るほど寒い日も多く、カイロを使っても手足の指先は冷えて痛くなります。(もちろん夏の暑い日も深刻に大変なことでしょう。)身体もあまり使わないのでとにかく時間が長い。途方もなく長い。耐える。

 問題はトイレ。こちらの集落ならそこらでしても怒る人もいませんし、一時その場を離れても大事には至りません。が、町場の道だと全く話は違ってきます。我慢できずにどこかの隅ですると通報される。専門の人に話を聞いたところ、朝から水分は摂らないと言っていました。大人用おむつをすることもあるようですね。動けないというだけでも大変なのに。自分にはとても務まらないでしょう。皆さん、出逢った時は待たされることに厭わず、温かい眼で見てあげてくださいね。

【続・自由について】

 本を読むとすぐに眠くなってしまう。ここ数年、スマホのアプリで本を読んでもらっています。作業中でも聴けるのが良い。小説の中で「あの頃が一番きつかったなぁ」という場面があり、ふと考えてみる。自分が一番きつかったのは…、炭焼きと田んぼと家造りと子どもの寝かし付けをしていた頃、ではありません。

テキスト ボックス: 育苗ハウス設置 大学を卒業した自分はやりたいこと・やろうとすることもなく、背広を着る就職活動をしたことがありません。もっと日本や社会のことを勉強したいと思い、熱帯林と先住民族の問題に取り組む市民団体に勤めました。そこで第一次産業の価値に気付いていきます。農林業をしようとその職場は3年で辞めたのですが、後輩が入っても皆辞めてしまうのでボランティアとしてカバーして、かなりの時間を使っていました。その傍らで日銭を稼いでなんとか食い繋いでいくフリーターの日々。残り1週間で2千円とか。2日間もらいもののジャガイモだけとか。パンの耳にもお世話になりました。残金500円弱を銭湯に行くかおかずを買うか煙草を買うかで迷ったり。結果、…煙草ですね、愚かですね(煙草は子どもが奨学金を借りる時に辞めました)。「自由」と言えば「自由」なのですが、特別な知識も技術も能力も何より先立つもののない者の「自由」というのは何と非力なことでしょう。

そんな具体的な将来が見えずにその日暮らしをしていた2~3年が精神的に一番しんどかったように思います(そもそも毎晩寝る所があって食べるものがあって暖も取れ、何らかの圧力にさらされているわけでもないので、大したきつさではないのですが)。

それでも選べる自由を使うことができ、運よくここの暮らしに辿り着きました。自分なりに懸命に働いてきたと思います。でもそれは「苦労」とかではなく、やろうと思ったことをやってこられた、という充実感。忙しくも活きの良い「自由」。 先が見えずに悶々としている人はたくさんいると思います。中には農林業が性に合う人もいるのではないでしょうか。そういう人が自由に選んだ末、自分のやっている田んぼを継いでくれる、なんてことがあったらいいなぁ。

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