文茶助10月号

【新米お届けします】

 今年も美味しいお米が穫れました。水不足の時に奔走した甲斐がありました。まだ2枚しか刈っていない状況ですが、ご予約分のお米確保は心配なさそうです。順番待ちの方へも順次お送りできるかもしれません。

【お詫び:石混入について】

 昨年、これまでの肥料データが通用しない異常高温と湿度による徒長により、かなり稲を転ばしてしまいました。そのことによりお米に石が混ざってしまいました。白米ですとコイン精米機に付いている石抜き機でほとんど取れるのですが、玄米に石が入っていた報告を受けました。白米でも入っていたかもしれません。申し訳ありませんでした。

さすがに去年の蒸し暑さは異常でしたので、今年は肥料を少し減らして様子を見ました。お断りするほどのご注文もいただいているので、あまり収量を減らすわけにもいきません。が、今年も過去最高気温の夏。去年ほどではありませんが転んだ稲も出てしまいました。来年度は窒素分をもっと減らし、茎を丈夫にするケイ酸分を増やしてみます。もう1,2年、石抜きの機械導入に関しては保留にさせて下さい。

 と言いますのも、籾摺りして玄米にする過程で通す70万円くらいの大型石抜き機は作業小屋が狭すぎて設置困難。販売の都度通す10万円ほどの小型のものもありますが、発送作業場である我が家の玄関は色彩選別機と計量機とお米によりすでにいっぱい。そして何とか導入したとしても、稲が転ばなければ石抜き機はほぼ不要になってしまいます。何とも長い言い訳になってしまいましたが、温暖化の弊害をもう少し共有してくださいませんでしょうか。

【米価上昇】

農協の魚沼産コシヒカリの仮渡金(たいてい後から少し上乗せされます)がなんと1俵37,000円となりました。農協に出荷している農家であれば単純に喜ぶべき話。儲かる仕事に成りえます。これが続けば機械も新調できるし、後継者も少しは増えるかもしれません。本来の労働に見合った真っ当な価格なのでしょう。

 問題は我が家の売り値。玄米1俵3万円。4月に値上げさせていただいたというのに、格安の魚沼産コシヒカリになってしまいました。手間をかけて付加価値を付ける白米小売りよりも農協に玄米30㎏の袋のまま売った方が儲かるという残念な事態。ネット販売を眺めると同品種のお米はこちらの倍額にもなっていました。

 この価格乱気流は農政の失態だと思っています。主食を市場経済に丸投げして価格暴落を放置し続けてきたツケが回ってきたのでしょう。米農家衰退の一過程なのかもしれません。

 皆さんに支えて来てもらいここまでやって来られた我が家です。世の風潮に流されたくはないですし、ただ金儲けができればいいとは思っていないのでこの新米からの値上げもしませんでした。ですが、あまりに価格の差が出来てしまい、頭を抱えています。物価も上がり、機械の劣化も進んでいます。山の中は春の水温・気温が低く、平場に比べ収量が劣ります。安過ぎると言ってくださる方もいます。でも、これ以上上がると正直苦しいと感じる方もいらっしゃることでしょう。そこは申し訳なく辛いところなのですが、12月あたりから少し値上げさせてもらおうかと気持ちが揺らいでいるところです。

コメント

コメントする

目次